『ソルハ』 (2010 032)

カブールがこの小説の舞台です。
1992年には5歳の女の子だった主人公のビビの目を通じて、2002年にタリバンの支配が終わるまでの様子を描いています。
小説なので、とても分かりやすい。

タリバンが支配権を持ったことにより、女性はブルカの着用を強要され、学校に行けなくなり、アングラで女子中学生たちを教えていたビビの母親は殺されてしまいます。
母の「1万時間の法則」(どんなことでも1万時間勉強すればモノになる)を知り、毎日自宅で英語を3時間勉強するビビ。
タリバンと戦うために、北部同盟に入るビビの兄。
平和になったとき、発電所がすぐに再開できるよう、毎日隠れてシャフトを回しに行く技師の父。
魅力的な登場人物たちのおかげか、絶望的な展開にはならず、カブールがタリバンの支配から解放されたところで、一応ハッピーエンドとなります。

帚木 蓬生氏の小説は初めて読みました。精神科医でいらっしゃるのですね。海棠尊氏と何となく通じるところがあるかも。

ソルハ
帚木 蓬生

ソルハ
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