『【新版】ビッグツリー~自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて~』 (2010 011)

【新版】ビッグツリー~自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて~』を読みました。
株式会社 東レ経営研究所 代表取締役社長 佐々木 常夫氏が、ビジネスマンとして大きな結果を出しつつも、問題を抱える家族を守ろうと歩んできた道のりを赤裸々に綴っています。
佐々木氏は凄い人だと思います。長男は自閉症。妻は肝硬変をわずらった後、うつ病に。入院43回、繰り返す自殺未遂。その間、大阪・東京間で6度の転勤。単身赴任、激務。そんな状況でも、仕事も家族もあきらめなかったのは、もう凄いとしか言いようがないです。自分が同じ状況に置かれたら、と想像しただけで気が遠くなります。彼は、仕事も家族も、自分が選んだから強いコミットメントを持っていました。自分が選んだから、責任を全うしようとしました。私は、仕事やパートナーに対して、そこまで強いコミットメントや責任感を感じたことはありません。覚悟が足りなかったのでしょう。

佐々木氏のことは凄い!!と思いつつ、パートナーの浩子さんの苦しみを思うとあまりにも気の毒で、彼女の日記や手紙を引用した部分では泣けてしょうがなかったです。お互いに、相手は自分たちはまったく違う性格の持ち主だと認識していたようですが、それ以上に、行動や考え方における性差や家族内での役割分担についての理解を深め合っていれば、浩子さんがあそこまで追い詰められることもなかったのではないかと、感じました。