『貧困の克服―アジア発展の鍵は何か (集英社新書)』 (2009 054)

紛争復興開発論特講Iの講義で何度も登場した、Amartya Sen博士の講演などをまとめたもの。

Pg. 167
1980年代後半から、センは、この潜在能力アプローチに基づく厚生経済学開発経済学の批判的再構築を試みます。セン自身の定義によれば、潜在能力とは、「人が善い生活や善い人生を生きるために、どのような状態(being)にありたいのか、そしてどのような行動(doing)をとりたいのかを結びつけることから生じる機能(functionings)の集合」のことだとされています。センは生活の質を所得や効用を通してみるのではなく、「潜在能力」や「機能」という側面から、人の福利=善い生活(well-being)を評価したり、比較したりする方法を提案したのです。

 

貧困の克服―アジア発展の鍵は何か (集英社新書)
Amartya Sen

4087201279

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