『砂漠の女ディリー』 (2009 041)
初めて読んだFGM (Female Genital Mutilation, 女性器切除)に関する本。
ソマリア出身の国際的モデルで国連特別大使でもある、ワリス・ディリーの壮絶な半生を描いています。
5歳でFGMを受けたときの体験がつづられている箇所を読んだときは、ページをめくる手が震え涙が止まりませんでした。このようなことが、今でも文化・伝統・宗教儀式等の名のもとで行われていることに、ただただショックを受けました。そして、FGMを根絶するために自らのそのつらい体験を話す決心をしたワリスの強さに心を打たれました。
p. 328より引用
私の目標は、アフリカの女性を救うことである。わたしは女性たちにもっと強くなってほしい。弱くなってほしくないのである。FGMは、女性を肉体的にも、精神的にも弱くしてしまう。アフリカをささえているのは女性である。私の育った社会では、ほとんどの仕事は女性がこなしている。こどものときに体の一部を切り取られ、残りの人生を弱った体ですごさなくてもよくなったら、アフリカの女性はどんなにのびのびと、いろいろなことができるようになるだろう。
砂漠の女ディリー Waris Dirie 武者 圭子 草思社 1999-10 by G-Tools |
表紙の写真は、イタリア版マリ・クレール (1997)に使用されたものだそうです。