『沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇』

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇』読了。

410110428X沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇
山崎 豊子


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メタローグ
日本を代表する航空会社の凄まじいまでの腐敗。85年の御巣鷹山事故の衝撃を出発点に、その内実を描いたノンフィクション・ノベル。全5巻の大作ながらベストセラーになった。労組活動を「アカ」呼ばわりされ、海外の僻地勤務を命じられた主人公・恩地に、リストラ社会を生きる人々の共感が寄せられたのが一因だろう。だが、もっと重要なのは、だれもが知るあの会社をモデルに実在人物をも特定できる形で汚点を紡いだ「蛮勇」ではないか。たとえ事実と創作の混線ぶりが気になるにしても。「白い巨塔」の財前や「不毛地帯」の壹岐でなく、企業内で黙々と働く恩地が英雄という閉塞時代に、私たちはいる。(藤谷浩二)
『ことし読む本いち押しガイド2000』 Copyright© メタローグ. All rights reserved.

内容(「BOOK」データベースより)
十年におよぶ海外左遷に耐え、本社へ復帰をはたしたものの、恩地への報復の手がゆるむことはなかった。逆境の日々のなか、ついに「その日」はおとずれる。航空史上最大のジャンボ機墜落事故、犠牲者は五百二十名―。凄絶な遺体の検視、事故原因の究明、非情な補償交渉。救援隊として現地に赴き、遺族係を命ぜられた恩地は、想像を絶する悲劇に直面し、苦悩する。慟哭を刻む第三巻。

内容(「MARC」データベースより)
航空史上最大の犠牲者を出したジャンボ機墜落事故。凄絶な墜落現場、肉親の遺体を探し求める遺族、補償交渉の非情な現実。空の安全を願った故の「左遷」に耐えた主人公が、巡礼の旅に出る遺族のお遍路姿に見たものは…。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山崎 豊子
1924(大正13)年、大阪市生れ。京都女子大国文科卒。毎日新聞社学芸部に勤務。当時、学芸部副部長であった井上靖のもとで記者としての訓練を受ける。勤務のかたわら小説を書きはじめ、’57(昭和32)年『暖簾』を刊行。翌年、『花のれん』により直木賞を受賞。新聞社を退社して作家生活に入る。’63年より連載をはじめた『白い巨塔』は鋭い社会性で話題を呼んだ。『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』の戦争3部作の後、大作『沈まぬ太陽』を発表。’91(平成3)年、菊池寛賞受賞。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)